第14話

樹木の芯を求めて林に入った者が、枝や葉を得て芯を得たように思うならば、

まことに愚かなことである。

ややすると、人は、木の芯を求めるのが目的でありながら、

木の外皮や内皮、または木の肉を得て芯を得たように思う。

人の身の上に迫る生と老と病と死、愁い、悲しみ、苦しみ、悩みを離れたいと望んで道を求める。

これが芯である。それが、わずかな尊敬と名誉とを得て満足して心がおごり

自分にほめて他をそしるのは、枝葉を得ただけにすぎないのに芯を得たと思うようなものである。

また、自分のわずかな努力に慢心して、望んだものを得たように思い、

満足して心が高ぶり、自分をほめて他をそしるのは、木の外皮を得て芯を得たと思うようなものである。

また、自分の心がいくらか静まり安定を得たとして、それに満足して心が高ぶり、

自分をほめて他をそしるのは、木の内皮を得て芯を得たと思うようなものである。

道を求める者にとっては、尊敬と名誉と供養を受けることがその目的ではない。

わずかな努力や、多少の心の安定、またわずかな見る力が目的なのではない。

まず最初に、人はこの世の生と死の根本的な性質を心に留めなければならない。



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参考資料 仏教聖典

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