第十話

金持ちであるが愚かな人がいた。他人の家の三階づくりの高層が高くそびえて、

美しいのを見てうらやましく思い、自分も金持ちなのだから、

高層の家を造ろうと思った。

大工を呼んで建築を言いつけた。

大工は承知して、まず基礎を作り、二階を組み、それから三階に進もうとした。

主人はこれを見て、もどかしそうに叫んだ。

「わたしの求めるものは土台ではない。

一階でもない、二階でもない、三階の高層だけだ。

早くそれを作れ」と。

愚かな者は、努め励むことを知らないので、ただ良い結果だけを求める。

しかし、土台のない三階はあり得ないように。

努め励むことなくして、良い結果を得られるはずがない。



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参考資料 仏教聖典

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