第11話

ある家に、ひとりの美しい女が、着飾って訪ねてきた。

その家の主人が、「どなたでしょうか。」

と尋ねると、その女は、「わたしは人に富を与える福の神である。」

と答えた、主人は喜んで、その女を家に上げ手厚くもてなした。

すると、すぐその後から、粗末なみなりをした醜い女が入ってきた。

主人がだれであるかと尋ねると、貧乏神であると答えた。

主人は驚いてその女を追い出そうとした。

すると女は、「先ほどの福の神はわたしの姉である。

わたしたち姉妹はいつも離れたことはないのであるから、

わたしを追い出せば姉もいないことになるのだ。」

と主人に告げ、彼女が去ると、やはり美しい福の神の姿も消えうせた。

生があれば死があり幸いがあれば災いがある。

善いことがあれば悪いことがある。人はこのことを知らなければならない。

愚かな者はただいたずらに、災いをきらって幸いだけを求めるが、

道を求めるものは、この二つをともに超えて、そのいずれにも執着してはならない。



1話から31話の話の中で善いと思ったお話は印刷して下さい。
出かける際には鞄に入れるなどして、明日への向上心、日常の『心の支え、心の糧』としてお持ち下さい。

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参考資料 仏教聖典

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